VIVA MEXICO!5

tamamora2004-09-25

パンプロナーダとは牛追い祭りのこと。スペインの牛追いで有名な町、パンプローナに由来するのだと思う。メキシコ旅行期間中にこの祭りがあることを知り、迷わず日程に組み込んだ。とはいえ、日本では全く詳細な日程の情報が入らない。歩き方にも9月中旬から下旬と書いているだけだった。ネットで検索し、サンミゲル市の観光ホームページに行き着く。スペイン語は読めなかったが、日程だけは確認できた。これだけの情報で決めてしまったサンミゲル・デ・アジェンデ行き。正直、祭りの会場にたどり着くまでは不安で仕方なかった。
5:45起床。今日の朝食もタコス。メキシコシティからバスで4時間。サンミゲルのバス停から20分ほど歩くと、祭りが行われる町の中心部が見えてくる。あたり一面お祭りムード。白いシャツにジーンズ、赤い布を首に巻いた人々。カウガールってやつか。スタイルも抜群にいい美女が多い。人ごみを少しずつかき分け柵を乗り越えて、教会前の大通りに入る。祭りの開始を待つ間、ゴスペラーズの一人に似たメキシコ人にテキーラを勧められた。目が合うとニッコリ微笑みかけてくれるおじさんや、「兄ちゃんらどっから来たんや?」みたいなノリで話しかけてくる若者の集団。日本人は珍しいのだろう。周りを見渡してもそれといった姿は見えなかった。結局、日本人離れした顔をもつタケダ以外は皮製の水筒からのテキーラ一気飲みをした。すぐに酔いが回る。下戸のむーちょは顔真っ赤になってて牛に刺されんか心配だった。
何度か花火が鳴る。観衆(?)のテンションがグングン上がる。気づけばさっきまでは回りにチラホラといた女性たちが皆、安全な柵の外や段の上に避難していた。むさくるし屈強な男たちに囲まれたまま、13:00ごろ一際大きな花火の音を合図に牛が放たれた。
逃げまどう人々。みんな人の後ろに潜り込もうと必死だ。うかうかしていると肉の壁にされてしまう。前衛は牛をよってたかって引っ叩いたり、赤い布で威嚇したり角をつかんだり。切れた牛が突進。角で投げ飛ばされた人が血だらけになってるよ。牛を弱らせていき、ロープで捕らえると「オレ!」の声が沸きあがる。熱狂的やわ、この人ら。俺らはというと、普段は落ち着いているイト○ちゃんまでもが牛をドツくことに躍起になっていたりで興奮しっぱなし。最後の牛がつかまり、パンプロナーダはまた花火の音で幕を閉じた。荷物はくちゃくちゃ、足も踏まれすぎてボロボロになったけど、この祭りは最高だ。
祭りの後は、サンミゲルの町を歩き尽くす。町中が酔っ払っているなんて日本じゃ考えられない。メキシコは屋外での飲酒は厳禁で逮捕されることもあるらしいのに。警察の前ではみんな器用に酒のビンを隠しつつ、至るところで飲み、そしてつぶれていた。
バスの時間まで余裕があったので個人行動。CD屋でメキシカンロックのCDを物色していると、失礼だがあんまりモテそうにない飲んだくれ3人組が話しかけてきた。英語を話せるインテリの彼らと話すうちに、案の定、女性の話題に話がいく。エスタスビエンボニートーという口説き文句を仕込まれ、ナンパに繰り出す。むーちょも加わって。
何であんなに道行く女性とキスできたのか後になってみると疑問。俺らは明らかにナンパのダシに使われたみたい。ほら、ここに変な生き物おるよーって的な感覚か。ともかく、ええ経験させてもらいました。
他のメンバーとの集合時間に遅刻しそうで焦っていても、彼らはマイペース次々と女性に声を掛けようとしていた。小太りのマリオはバスターミナルまで着いてきちゃったり。20:00のバスでグアナファトへ。土砂降りの雨になっていた。宿が見つからず空港で夜を明かす。